スタッフ・組織づくり

シェアサロンの予約管理|人ごとに違う営業時間と休みの決め方

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シェアサロンの予約は、スタッフごとの営業時間を「2段の予定表」で持つと回ります

シェアサロンの予約で困るのは、スタッフごとに営業時間も休みも違うのに、予定表が「店の営業時間」1本しかないときです。この1本に全員の都合を押し込むと、休みの日に予約が入る事故と、毎日1日ずつ手で直す作業の両方が起きます。この記事でわかることは3つです。(1)予定表を2段に分ける考え方、(2)人ごとの予定の持ち方の選び方、(3)誰が直せて、誰に何を見せるかの決め方です。

この記事は、それぞれのスタイリストが自分の予定を自分で決める店に向けて書いています。店主が毎月シフトを組む店の方は、美容室のシフトの作り方|少人数の店が毎月つくり直さない段取りのほうが近い内容です。

結論:店の時間は1本、人の時間は人数分と決めてから予定を入れる

先に答えをお伝えします。決めることは次の5つです。

  1. 予定表を「建物が使える時間」と「人ごとに予約を受ける時間」の2段に分ける。
  2. 人ごとに、予定の持ち方を2つから選ぶ(全員そろえなくてよい)。
  3. 毎週の休みと、その都度の休みを分けて入れ、予約の受付期間を全員の休みが入っている範囲にそろえる。
  4. 誰が誰の予定を直せるかを決め、急な休みのときに代わりに予約を止める人を1人決める。
  5. 施術をしない人に、何をどこまで見せるかを決める。

どれも紙の予約台帳でも、共有カレンダーでも、どの予約の仕組みでも同じ順で決められます。道具を開く前に、紙1枚に書き出しておくのがおすすめです。

休みの日に予約が入るのは、「店の営業時間」1本で全員を回そうとするからです

一般的なサロンは、店の営業時間と定休日を1つ決めれば、それがそのままスタッフ全員の予定になります。シェアサロンや面貸しの店では、この前提が成り立ちません。

ここで言葉をそろえておきます。面貸しは、店の席や設備をスタイリストに貸し、スタイリストが自分のお客様を施術する働き方です。業務委託は、雇用ではなく、仕事ごとに契約して報酬を受け取る働き方です。どちらも、勤務の時間や休みを本人が決めることが多い形です。

このような店で「店の営業時間」1本を使い続けると、次の3つが起きます。

  • 休みの日に予約が入る。 店は開いているので、予約の受け口も開いている。本人だけが休み、という日に予約が入ります。
  • 毎日1日ずつ直す作業が発生する。 人によって開始と終了の時刻が違うので、店の時間を基準にすると、毎日どこかを手で閉じることになります。
  • 誰の都合で閉じたのか分からなくなる。 1本の予定表に全員の休みを書き込むと、どの閉じ方が誰のものか、後から見て判別できません。

原因は、「建物が開いている時間」と「その人が予約を受ける時間」が別のものなのに、1つの欄で兼ねていることです。

手順1 予定表を「建物の時間」と「人の時間」の2段に分ける

最初にやることは、予定表を上下2段に割ることです。

何を書くかいくつあるか誰が決めるか
上の段:建物の時間鍵が開いている時間、共用の席やシャンプー台が使える時間、建物の休館日店に1つ運営者(オーナー・運営の会社)
下の段:人の時間その人が予約を受ける曜日・時間、その人の休み人数分それぞれのスタイリスト

大事なのは、下の段は上の段の中にしか置けないという関係です。建物が閉まっている時間には、誰も予約を受けられません。逆に、建物が開いていても、その人が受けない時間は予約を入れません。

紙でやるなら、上に建物の時間を1行、その下に人の名前の行を人数分つくります。共有カレンダーなら、建物用のカレンダーを1つ、人ごとのカレンダーを1つずつ用意します。予約の仕組みをお使いなら、店全体の時間と人ごとの時間を別々に持てるかを確かめてください。

この2段の考え方は、シェア型の店に限らず、少人数の店でも役に立ちます。「店は何時から何時まで開いているか」と「自分は何時から何時まで受けるか」を分けて書くだけで、話し合いの行き違いが減ります。

手順2 人ごとの予定の持ち方を、2つから選ぶ

下の段の入れ方には、大きく2つの持ち方があります。全員をそろえる必要はありません。人ごとに選んでかまいません。

  • (a) 開けておいて、受けない時間を塞ぐ持ち方 建物の時間いっぱいを受ける前提にし、休みや受けない時間だけを塞いでいく。
  • (b) 受ける時間だけを開けていく持ち方 何も入れなければ受けない前提にし、受ける時間だけを足していく。

向き不向きは、出る日の多さと規則性で分かれます。

(a) 開けて塞ぐ(b) 受ける時間を開ける
向いている人ほぼ毎日出る人。休みの曜日が決まっている人週に数日だけ出る人。出る日が不規則な人
入れる手間休みの分だけ入れればよい出る日の分だけ入れる
入れ忘れたとき休みの日に予約が入る予約が取れない日が出る
忘れたときの影響お客様との約束を守れない(当日の連絡・日程の組み直しが要る)予約の機会を逃すが、お客様との約束は壊れない

どちらが正しいかは決まっていません。見るべきは、入れ忘れたときにどちらの事故が起きるかです。(a)で塞ぎ忘れると、お客様に日程の変更をお願いすることになります。(b)で開け忘れると、予約が入らないだけで済みます。

迷ったら、休みが少ない人は(a)、出る日の少ない人は(b)から始めてください。使ってみて合わなければ、途中で入れ替えてかまいません。

手順3 毎週の休みとその都度の休みを分けて入れ、受付期間をそろえる

次に、下の段に休みを入れます。休みは2種類に分けて扱います。

  1. 決まった休み(毎週◯曜日、毎週◯曜の午後など)は、一度だけ繰り返しとして入れる
  2. その都度の休み(通院、家庭の用事、講習など)は、分かった時点でその日だけ入れる

決まった休みを毎月入れ直していると、どこかの月で入れ忘れが出やすくなります。繰り返しで入れておけば、入れる作業は最初の1回で済みます。ただし、繰り返しがどこまで先に入っているかは道具によって違います。繰り返しの休みが、何月何日まで入っているかを一度確かめてください。

そのうえで、予約を何日先まで受けるか(受付期間)を、全員の休みが入っている範囲にそろえます。たとえば受付期間が2か月先なのに、1人だけ来月までしか休みを入れていないと、その人の再来月の休みの日に予約が入ります。

そろえられない場合は、2つの選び方があります。

  • 全員が先の休みを入れ終わるまで、店の受付期間を短くする。
  • 先の予定が決めにくい人の分だけ、受付期間を短くする。

どちらを選ぶかは、店の予約の入り方で決めてください。受付期間そのものの決め方はサロンの予約は何ヶ月先まで受ける?受付期間と解禁日の決め方にまとめてあります。

手順4 誰が誰の予定を直せるかを決め、代わりに予約を止める人を決める

人ごとの予定を本人が入れる店では、直せる人の範囲を決めておきます。基本は次の形です。

  • 自分の分は、自分で直す。
  • 他の人の分は、見るだけにする。

こうしておくと、誰かが善意で他の人の予定を動かして、本人が知らないまま予約が入る事故を防げます。

そのうえで、1つだけ例外を作ります。本人が連絡できないときに、代わりにその人の予約を止める人を1人決めておきます。急な体調不良で本人が予定表を開けない日に、誰も止められないと、休みのはずの時間に予約が入ったままになります。

あわせて、予約の入れ間違いを誰が直すかも同じ紙に書きます。お客様が時間を間違えて取った、別の人の枠で取ってしまった、というときに、本人が直すのか、代わりの人が直すのかを決めておきます。

ここで決めるのは、あくまで予約の受け口の管理です。勤務の時間や休みを店が指示してよいかは、働き方の契約によって扱いが変わりえます。業務委託で働く方がいる店は、契約の中身を社会保険労務士や弁護士などの専門家に確認してください。お金の分け方の話は面貸し・業務委託スタッフの予約管理と歩合・源泉の分け方で扱っています。

手順5 予約を受けない人に、何をどこまで見せるかを決める

シェア型の店には、施術はしないが、予約の状況は知りたい人がいることがあります。運営の会社、経理の担当、建物のオーナーなどです。こうした方に見せる範囲は、次の3段に分けて決めます。

見せる内容見せる理由見せない理由
予約が埋まっているかどうか(時間帯ごとの空き・埋まり)席や設備の使われ方を把握できる特に無いことが多い
お客様の名前・連絡先電話の取り次ぎや、当日の案内ができるお客様の個人情報を扱う人を増やさない
売上運営の数字を把握できるそれぞれの売上は本人の事業の情報でもある

まず①だけで足りるかを考えてください。席の埋まり具合(稼働率=受けられる時間のうち、実際に予約が入った時間の割合)を知りたいだけなら、お客様の名前は要りません。稼働率の考え方はサロンの稼働率とは?計算方法と個人サロンの目安の決め方にまとめてあります。

②を見せるかどうかは、お客様の情報を扱う人が1人増えることと引き換えです。見せるなら、その方がどこまで情報を扱えるかを、スタイリストの皆さんに伝えておいてください。

③の売上をどこまで見せるかは、別の論点です。スタッフに売上や給与はどこまで見せる?サロンの見せる範囲の決め方で詳しく扱っています。

なお、共用の席やシャンプー台を複数の人が使う店では、人の予定とは別に設備の取り合いも起きます。同じ時間に3人が受けられても、シャンプー台が2台なら3人目は詰まります。設備の台数から枠を考える方法はサロンの予約枠はベッド・機材の台数で決まる|設備から考える枠設計をご覧ください。

人ごとに休みも時間も違う店のオーナーに、うかがった話

運営の母体が別にある、少人数の美容室のオーナーAさん(仮名)に、2026年9月にお話をうかがいました。Aさんのお店は、掲載型の予約サイトで予約を受けていました。

Aさんは、お店の様子を「スタッフとはいえ、どっちかっていうとシェアオフィスみたいな」状態だと話されました。それぞれが自分の予約を自分で管理し、休みも各自が好きな日に取っています。営業時間も、人によって違います。

困っていたのは、その違いを予約の受け口に反映することでした。使っていた予約サイトでは人ごとに変えにくく、設定を1日ずつやらなければいけなかった、とおっしゃっていました。先ほどの手順1で言えば、上の段と下の段が1本になっていた状態です。

そのうえでAさんが一番に挙げた希望は、機能の多さではありませんでした。予約の枠がそれほど多いわけではないので、シンプルな予約の仕組みがいい、というものでした。

人ごとの休みの入れ方の話になったとき、Aさんが最初に確かめたのは、「その人ごとでずっとそれをやっとけば、毎月それが更新されるのか」という点でした。毎月入れ直さずに済むかどうかを、まず確かめておきたかったということです。手順3で、決まった休みを繰り返しで入れる話をしたのはこのためです。

もう1つ、Aさんからは、運営の会社が別なので、サロンのスタッフではないけれど、もう1人見られるようにしたい人がいる、というお話もありました。手順5の「施術はしないが状況は知りたい人」は、この場面から整理したものです。

Aさんのお話から分かるのは、シェア型の店の予約でつまずく場所が、道具の使い方より手前にあるということです。建物の時間と人の時間を分けること、見る人と直す人を分けること。この2つが紙の上で決まっていれば、どの道具を選んでも入れる場所が決まります。

決める前に確かめる5点のチェックリスト

手順1〜5を、そのまま使える形にまとめました。スタイリストの皆さんと話すときの叩き台にお使いください。

【予定表の決め事】
□ 建物が使える時間(上の段):◯時〜◯時/休館日:◯曜日
 → 決める人:◯◯
□ 人ごとの持ち方
 ・◯◯さん:(a)開けて塞ぐ/(b)受ける時間を開ける
 ・◯◯さん:(a)/(b)
□ 決まった休みは繰り返しで入っているか(◯月◯日まで入っている)
 予約の受付期間:◯か月先まで(全員の休みが入っている範囲か)
□ 自分の分は自分で直す/他の人の分は見るだけ
 急な休みのとき代わりに予約を止める人:◯◯
 予約の入れ間違いを直す人:◯◯
□ 施術しない人(◯◯)に見せる範囲:①空き・埋まり/②お客様の名前・連絡先/③売上

よくある失敗

  1. 店の定休日に全員の休みを書き足していく。 1本の予定表に全員の休みを重ねると、誰の休みかが分からなくなります。人ごとの段に分けてください。
  2. 全員の持ち方をそろえようとする。 ほぼ毎日出る人と、週に2日だけ出る人では、入れる手間も事故の出方も違います。人ごとに選んでかまいません。
  3. 決まった休みを毎月手で入れる。 入れ忘れは、忙しい月ほど出やすくなります。繰り返しで入れて、どこまで入っているかを確かめる形にしてください。
  4. 受付期間だけ先に延ばす。 全員の先の休みが入る前に受付期間を延ばすと、休みの日に予約が入ります。延ばすのは、休みが入ってからです。
  5. 全員が全員の予定を直せる状態にする。 善意の修正が事故の元になります。直せるのは本人と、代わりに止める1人だけにしてください。
  6. 「見たい」と言われた人に、最初から全部見せる。 空きと埋まりだけで足りる場合もあります。お客様の名前まで見せるかは、分けて決めてください。

業態ごとに気をつけたい点

  • 美容室 シャンプー台やセット面を共用していることが多い業態です。人の時間とは別に、設備の台数が同じ時間の予約の上限になります。上の段に「設備の台数」も書き添えておくと詰まりにくくなります。
  • ネイル・まつげ 1回の施術が長く、1日に受けられる人数が少ないぶん、休みの日に入った1件の影響が大きくなります。出る日が不規則な方は、(b)の受ける時間だけを開ける持ち方から試すと、事故の出方が穏やかです。
  • リラクゼーション・エステの面貸し 個室を時間で分けて使う店では、上の段が「部屋ごとの時間」になります。部屋が複数あるなら、部屋ごとに上の段を持つと考えてください。
  • 自費の治療院で施術者が入れ替わる院 予約の管理の考え方は同じです。院のご案内では、施術者ごとの出勤日と受付時間の話にとどめ、体の変化については書かないでください。

まとめ:店の時間は1本、人の時間は人数分

やることをもう一度並べます。

  1. 予定表を建物の時間と人の時間の2段に分ける。上の段は1つ、下の段は人数分。
  2. 人ごとに、開けて塞ぐか、受ける時間を開けるかを選ぶ。見るのは入れ忘れたときの事故の出方。
  3. 決まった休みは繰り返しで一度だけ入れ、受付期間を全員の休みが入っている範囲にそろえる。
  4. 自分の分は自分で直し、他の人の分は見るだけ。急な休みに代わりに止める人を1人決める。
  5. 施術しない人に見せる範囲を、空き・お客様の情報・売上の3段で決める。

紙1枚と、スタイリストの皆さんとの30分の話し合いで、1から5まで決められます。決まっていれば、どの道具を選んでも入れる場所に迷いません。

人ごとの予定を、ひとつの受け口で回すなら

SALONA(サローナ)では、スタッフごとに勤務の予定を持てます。お店の時間の中を塞ぐ形と、働く時間だけを開ける形を人ごとに選べて、毎週の休みは繰り返しで入れられます。スタッフの方が変更できるのはご自身の分だけで、他の方の予定は見るだけです。全員の予定をスタッフにも見せるかどうかは、お店で選べます。予約や施術を担当しない方は、予約の受け付け対象から外しておけます。

人ごとの予定の持ち方をSALONAで見てみる →


よくある質問(FAQ)

Q. シェアサロンでも、店の定休日は決めたほうがよいですか?
A. 建物が閉まる日があるなら、決めておいてください。ここで言う定休日は、上の段(建物の時間)の休みです。スタイリストそれぞれの休みとは別に扱います。建物の休みが決まっていると、誰の予定表でもその日は予約が入らないので、人ごとに同じ休みを入れる手間が省けます。逆に、建物が毎日開いているなら、無理に店の定休日を作る必要はありません。人ごとの休みだけで回ります。

Q. 休みが不規則なスタイリストは、どう予定を入れればよいですか?
A. 受ける時間だけを開けていく持ち方が向いています。出る日が決まってから、その日だけを開けるので、入れ忘れても予約が入らないだけで済みます。そのうえで、「毎月◯日までに翌月の出る日を入れる」と締め切りを決めておくと、予約の受付期間とのずれが出にくくなります。締め切りまでに入らなかった月は、その人の分だけ受付期間を短くするのも1つの方法です。

Q. 運営の会社の人に予約状況を見せても問題ありませんか?
A. 見せる範囲を分けて決めれば、運用できます。席の使われ方を知りたいだけなら、時間帯ごとの空きと埋まりで足ります。お客様の名前や連絡先まで見せると、お客様の個人情報を扱う人が1人増えます。見せるなら、その方がどこまで扱えるのかをスタイリストの皆さんに伝えておいてください。売上まで見せるかどうかは、それぞれの働き方の契約によって考え方が変わるので、別に決めることをおすすめします。


運営:株式会社art crat./SALONA編集部
小規模・個人サロン、自費の治療院の経営・集客・ツール選びに、現場の手順で具体的に答えるメディアです。
公開日:2026-09-24/最終更新:2026-09-24
本記事の一部は、SALONA利用サロンへのヒアリングに基づき匿名化して掲載しています。

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