新規再来率とは?計算方法と何日で数えるか・少人数の店の読み方
新規再来率とは?ひとりサロンでの計算方法と見方
新規再来率とは、ある期間に初めて来店した方のうち、決めた日数以内に2回目に来店した方の割合です。全体のリピート率とは別に持つ数字で、新規のお客様が定着しているかを映します。この記事でわかることは3つです。(1)全体のリピート率との違い、(2)何日以内の2回目を数えるかの決め方と計算の手順、(3)月に数人しか新規が来ない店での読み方です。
結論:数える前に「誰を・何日以内で・いつ」を決め、人数と並べて読む
先に答えをお伝えします。新規再来率の式そのものは単純です。
新規再来率(%)= 決めた日数以内に2回目に来店した方の人数 ÷ その期間に初めて来店した方の人数 × 100
難しいのは計算ではなく、数える前の取り決めです。やることは3つに絞れます。
- 初めて来店した月ごとに組を作って数える。しばらくぶりに戻られた方は新規に入れません。
- 何日以内の2回目を数えるかを、自店の来店周期から決めて固定する。
- 決めた日数が過ぎた組だけを確定させる。直近の月は、まだ途中です。
そのうえで、月に数人しか新規が来ない店では、「60%」ではなく「5人中3人」と人数を並べて読みます。1人の違いで数十ポイント動くからです。どれも紙の台帳と電卓だけで実行できます。
新規は来るのに常連が増えない。全体のリピート率ではそれが見えません
新規再来率は、「新規リピート率」「新規定着率」と呼ばれることもあります。呼び方は店や資料によって違いますが、指しているものは同じです。
似た言葉にリピート率があります。リピート率は、ある期間に来店した方のうち、もう一度来店した方の割合です。数え方の違いはリピート率とは?計算方法とサロンの目安にまとめています。
全体のリピート率だけを見ていると、困ったことが起きます。長く通ってくださる常連の方が多い店ほど、全体のリピート率は高く出るからです。常連の方はほぼ毎回戻ってこられます。その人数が大きいと、初めての方が2回目に来ていなくても、全体の数字はあまり下がりません。
架空の例で見ます。ある月に来店した常連の方が30人、初めての方が5人いたとします。その後、常連の方は27人、初めての方は1人が再び来店されました。
- 全体のリピート率:35人中28人 = 80%
- 初めての方だけ:5人中1人 = 20%
全体では80%あります。ところが初めての方だけを取り出すと、5人のうち4人が戻っていません。「リピート率は悪くないのに、なぜか常連が増えない」と感じるときは、たいていこの状態です。新規の定着が悪くなっていても、全体の数字の中に隠れてしまいます。だから新規だけを取り出した数字を、別に持ちます。
同じ「新規」でも、入口によって2回目に来る割合は違う
新規再来率が映しているのは、大きく2つです。1つはどの入口から来ていただいたか(紹介・地図検索・SNS・予約サイト・初回割引など)。もう1つは初回の体験です。新規を増やす努力をしても、2回目につながらなければ、翌月はまた新規を探すところから始まります。
入口による違いは、編集部がサロンのオーナーに伺ったヒアリングでも出てきました。サロンを営むオーナーのAさん(仮名)は、新規の方に来ていただく入口をいろいろ試してきた方です。Aさんによると、施術を気に入ってくださった方は2回目にもいらっしゃいます。一方で、割引をきっかけに来店された方の中には、1回で終わる方もいたそうです。Aさんはそうした方を「そのクーポンを狙ってた人」と表現していました。
ここから言えるのは、新規再来率を1本の数字で見ると、入口ごとの違いが平均されて消えるということです。紹介の方がほぼ全員2回目に来ていて、割引の方がほとんど来ていない店でも、まとめると「まずまずの数字」に見えます。入口ごとに分けて見る方法は、後ほど扱います。
新規再来率を出す前に決める3つのこと
ここがこの記事の中心です。式に数字を入れる前に、次の3つを決めて紙に書いておきます。
① 誰を数えるか:初めて来店した月ごとに組を作る
新規は、初めて来店した月ごとに束ねて数えます。4月に初めて来た方は、2回目が5月でも7月でも「4月の組」として数えます。2回目が来た月に数えるのではありません。こうしないと、「5月に2回目に来た人数 ÷ 5月の新規の人数」のように、分母と分子が別の方どうしになります。
人数は実客数(重複を除いた人数)で数えます。延べ客数(来店した回数の合計)ではありません。初めての方が同じ月に2回いらしても、組の中では1人です。
もう1つ、しばらくぶりに戻ってこられた方は新規に入れません。一度でも来店のある方は、何か月空いても新規ではなく「復帰」として別に数えます。新規・再来・復帰の線引きはサロンの客数の数え方|延べ客数と実客数の違いと新規の線引きで詳しく扱っています。ここでは「組に入れるのは本当に初めての方だけ」と押さえておけば足ります。
② 何日以内の2回目を数えるか:自店の来店周期から決める
次に、「初回から何日以内に2回目があれば数えるか」を決めます。業界で決まった日数があるわけではありません。
土台にするのは、自店の来店周期です。来店周期とは、同じお客様が前回の来店から次の来店までに空ける日数のことです。出し方は来店周期とは?サロンの来店サイクルの計算方法と使い方にまとめています。
区切りは、たとえば60日・90日のように決めます。考え方は2つです。
- 周期ちょうどにしない。周期ぴったりで区切ると、数日遅れて2回目にいらした方を取りこぼします。周期より少し長めに取ります。
- 長すぎる日数にしない。周期の何倍もの日数を取ると、半年ぶりに1度だけいらした方まで「2回目に来た」に入ります。定着を測る数字として、意味が薄れます。
周期が短い店と長い店では、ちょうどよい日数が逆になります。周期が30日ほどの店で180日を取れば、ほとんどの方が「来た」になります。周期が90日ほどの店で30日を取れば、ほとんどの方が「来なかった」になります。どちらも数字は出ますが、判断には使えません。
そして、一度決めた日数は変えません。途中で60日を90日に変えると、前の月の組と比べられなくなります。変えるなら、過去の組もさかのぼって数え直します。開業して間もなく周期がまだ出せない店は、メニューのおおよその通い方から仮に決めます。半年ほどたって周期が出せた時点で、一度だけ見直します。
③ いつ数えるか:決めた日数が過ぎた組だけを確定させる
いちばん見落とされやすいのがここです。2回目の期限がまだ来ていない組を数えると、新規再来率は実際より低く出ます。
たとえば「90日以内」で数えると決めた店が、9月10日に数字を出すとします。組ごとに、月末に初めて来た方の期限を並べると次のようになります。
| 初めて来店した月 | 月末に初めて来た方の期限 | 9月10日の時点 |
|---|---|---|
| 4月 | 7月末ごろ | 確定できる |
| 5月 | 8月末ごろ | 確定できる |
| 6月 | 9月末ごろ | まだ途中 |
| 7月 | 10月末ごろ | まだ途中 |
| 8月 | 11月末ごろ | まだ途中 |
6月の組には、まだ期限の内側にいる方が残っています。この時点で6月の組を数えると、これから2回目に来る方が「来なかった」側に入ります。直近の月が悪く見えるのは、まだ途中だからです。確定させるのは、組のいちばん最後の方の期限が過ぎてからにします。
架空の例で計算してみる
以下はすべて架空の例です。90日以内で数える店とします。
- 4月の組:初めて来店した方5人。90日以内に2回目があった方3人。→ 5人中3人(60%)
- 5月の組:初めて来店した方4人。90日以内に2回目があった方1人。→ 4人中1人(25%)
4月と5月で35ポイント違います。けれど中身は、1人か2人の違いです。5月の組にもう1人2回目の方がいれば、4人中2人で50%でした。1人で25ポイント動きます。この動き方が、次の話につながります。
月に数人の新規なら、率より「◯人中◯人」で読む
ひとりサロンで新規再来率を扱うときの本題はここです。新規が月に数人だと、1人来るか来ないかで数字が数十ポイント動きます。
1,000人を調べても、割合は上下にぶれる
人数が少ないほど割合がぶれるのは、統計の一般的な性質です。総務省統計局の統計学習サイト「Data StaRt(データ・スタート)」の「標本誤差の計算」には、割合がおよそ半々のときの計算例が載っています。それによると、1,000人を調べた場合でも誤差は約0.0315、つまり上下に約3ポイントあります。これを2ポイント以内に抑えるには、約2,470人以上を調べる必要があるとされています。
店の新規の方は、くじで選んだ調査対象ではありません。ですから、この計算をそのまま当てはめることはできません。ただ、「人数が少ないほど割合は大きく揺れる」という性質は同じです。国の統計の教材が1,000人でも3ポイントのぶれを見込んでいるのですから、5人の組で出た60%は、それだけで良し悪しを決められる数字ではありません。
少ない人数で読むときの4つの決まりごと
- 率と人数をいつも並べて書く。「60%」ではなく「5人中3人(60%)」と書きます。人数が書いてあれば、1人の重みがひと目で分かります。
- 3か月・半年分をまとめて出す。先の例なら、4月と5月をまとめて9人中4人(約44%)です。月ごとの上下より、まとめた数字の動きを見ます。
- 比べる相手は、自店の前年の同じ時期にする。季節によって入口や客層が変わる店では、前の月より前年の同じ時期のほうが比べる意味があります。他店や業界の平均を、自店の目標にはしません。
- 人数がごく少ないうちは、2回目に来なかった方を1人ずつ思い出す。
4つ目は、率を出すより役に立つ場面があります。新規が月に3人なら、2回目に来なかった方は多くても3人です。その方がどの入口から来たか。初回にどのメニューを受けたか。帰り際に次の来店の話ができたか。台帳を見ながら1人ずつ思い出すと、率を眺めているより早く、次に変えることが見つかります。率は、人数が増えてきたときに傾向を確かめる道具として取っておけば十分です。
出した数字は、3つの見方で使う
数えただけでは何も変わりません。新規再来率は、次の3つの見方で使います。
① 入口別に分ける
新規の方を、来店のきっかけごとに分けて数えます。紹介・地図検索・SNS・予約サイト・初回割引などです。どの入口から来た方が2回目につながっているかが見えます。
前提として、初めての方ごとに来店のきっかけが記録に残っている必要があります。記録の仕方はサロンの新規客はどこから来たか|記録の仕方とやめる基準を参照してください。入口ごとに分けると1つの組はさらに小さくなるので、半年・1年分をまとめて見ます。
② 初回のメニュー別に分ける
初回割引やお試しメニューから入った方と、通常のメニューから入った方で、2回目の割合を分けて見ます。割引の入口から来た方の2回目が極端に少ないなら、初回割引の続け方を考え直す材料になります。やめるかどうかの判断はサロンの初回割引はいつやめる?クーポン価格を自社予約に移す決め方にまとめています。
③ 何かを変えた前後で比べる
帰り際に次回のご予約をお声がけし始めた。初回の説明の仕方を変えた。こうした変更の前と後で、組ごとの数字を比べます。このとき、一度に変えるのは1つだけにします。2つ同時に変えると、どちらが変化につながったのか分かりません。次回予約の声のかけ方は美容室の次回予約の取り方|押し売りにならない声かけとタイミングで扱っています。
なお、変えた後の組は、決めた日数が過ぎるまで確定しません。90日で数える店なら、変えた月の組の結果が出るのは4か月ほど先です。すぐに結果が見えないのは、失敗ではなく数え方の性質です。
新規再来率でよくある5つの読み違い
- 次回予約率と混同する。次回予約率は、来店されたその場で次の予約が入った割合です。新規再来率は、実際に2回目に来店された割合です。予約をいただいても日程の変更やキャンセルがあるので、2つは一致しません。予約が入っただけで「2回目に来た」と数えないようにします。
- 全体のリピート率が高いので安心する。先に見たとおり、常連の方が多いと全体の数字は高く出ます。新規の定着は、別の数字で見ます。
- まだ途中の組を数えて落ち込む。期限が来ていない組は、低く出て当然です。確定した組だけで判断します。
- 他店や業界の平均と比べる。入口の構成も、来店周期も、何日で数えているかも店ごとに違います。同じ名前の数字でも、中身は別物です。
- 途中で日数の区切りを変える。60日から90日に変えた月から、それまでの数字と比べられなくなります。
業態別に気をつけたいこと
- 美容室・ネイル・まつげ:来店周期が比較的短く、2回目が早く確定するので数えやすい業態です。ネイル・まつげでは、初回の施術後の無料のお直しを「2回目」と数えるかを先に決めておきます。お直しは初回の続きなので、数えると定着していない方まで2回目に入ります。数えない、と決めておくのが扱いやすい形です。
- エステ・脱毛:コース契約の方は、2回目以降の来店があらかじめ決まっています。契約した方にはほぼ全員2回目があるため、そのまま混ぜると数字が高く出ます。コースの初回と、都度払いの初回を分けて数えます。
- ブライダル向けなど1回で完結するメニュー、施術が終わる設計の業態:新規再来率は低くて当然です。低さを、そのまま問題と読まないでください。こうした業態の数字の見方は「卒業」があるサロンの数字の見方|リピート中心でも集客が要る理由にまとめています。
- 自費の整体・鍼灸:来院の間隔が短く、2回目が早く来る業態です。日数の区切りも短めにします。ただし新規再来率は、来院の記録を数えた店内の管理の数字です。2回目にいらした割合を、施術の結果と結びつけて語らないでください。お客様向けの案内に使う数字でもありません。
まとめ
新規再来率とは、ある期間に初めて来店した方のうち、決めた日数以内に2回目に来店した方の割合です。
- 全体のリピート率とは別に持ちます。常連の方が多い店ほど、新規の定着の悪さが全体の数字の中に隠れるからです。
- 数える前に3つを決めます。初めて来店した月ごとの組で数える。何日以内の2回目かを来店周期から決めて固定する。決めた日数が過ぎた組だけを確定させる。
- 月に数人の新規なら、「5人中3人」と人数を並べ、3か月・半年分をまとめ、自店の前年と比べます。人数がごく少ないうちは、来なかった方を1人ずつ思い出すほうが早く次の手に届きます。
- 出した数字は、入口別・初回のメニュー別・変えた前後の比較に使います。
今日できるのは、3〜4か月前に初めて来店された方の名前を台帳から書き出し、その後に2回目があったかを1人ずつ確かめることです。
次に読むなら、こちらがつながります。
- 経営の数字の全体像:ひとりサロンが見るべき経営の数字とは?KPI入門
- 全体のリピート率の数え方:リピート率とは?計算方法とサロンの目安
- 日数の区切りの土台になる数字:来店周期とは?サロンの来店サイクルの計算方法と使い方
- 2回目につなげるお声がけ:美容室の次回予約の取り方|押し売りにならない声かけとタイミング
- 入口を記録する方法:サロンの新規客はどこから来たか|記録の仕方とやめる基準
初めての方が2回目に来たかを、毎月突き合わせるのが続かないなら
数え方さえ決まれば、今月から台帳と電卓で出せます。続かなくなるのは計算より、月末に台帳をさかのぼって、初めての方の名前と2回目の来店を突き合わせる作業のほうです。SALONA(サローナ)では、予約とお会計がお客様ごとに紐づいたまま残り、分析の画面で、その月に初めて来店された方のうち3か月・6か月・12か月以内にもう一度来店された割合を、初めての方の人数と並べて月ごとに確認できます。期間がまだ過ぎていない直近の月は、数字を出さずに伏せて表示します。
よくある質問(FAQ)
Q. 何日以内の2回目を数えればいいですか。
A. 業界で決まった日数はありません。自店の来店周期をもとに、周期より少し長めの日数を決めます。たとえば60日や90日のように区切ります。周期ちょうどだと数日遅れていらした方を取りこぼし、長すぎると半年ぶりに1度だけいらした方まで入ります。大切なのは、一度決めた日数を変えないことです。途中で変えると、前の月と比べられなくなります。
Q. 新規が月に数人しかいません。数える意味はありますか。
A. あります。ただし率だけで読まないでください。5人の組では、1人の違いで20ポイント動きます。「5人中3人」のように人数を並べ、3か月・半年分をまとめて見ます。人数がごく少ないうちは、2回目に来なかった方を1人ずつ思い出し、入口や初回のメニューを確かめるほうが、次に変えることが見つかります。
Q. 次回予約率とは何が違いますか。
A. 次回予約率は、来店されたその場で次の予約が入った割合です。新規再来率は、初めての方が実際に2回目に来店された割合です。予約をいただいても日程の変更やキャンセルがあるため、2つは一致しません。次回予約率は2回目につなげるための取り組みを見る数字、新規再来率はその結果を確かめる数字として、分けて持ちます。
運営: 株式会社art crat./SALONA編集部
公開日: 2026-09-13 最終更新: 2026-09-13
本記事のオーナーの声は、SALONA利用サロンへのヒアリングに基づき、匿名化して掲載しています。標本の大きさと誤差の関係は、総務省統計局「Data StaRt(データ・スタート)」の「2-1-3 標本誤差の計算」を2026年9月に確認して記載しています。数値の解釈は本記事編集部によるものです。